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横浜市中区、楽しい自動車生活を創り出すお店<ASM>をプロデュースしています。S2000・RECAROを切り口に、色々な話題をお届けします。
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埼玉県にある日本有数のカーボンコンポジット工場・株式会社チャレンヂを訪問しました。
目的は、来年86/BRZ用を正式注文するため、ASM筑波スペシャル2004・2005・2006の他、S2000用派生モデルやフェアレディZ(Z33)用エアロパーツを製作して以来、久しぶりにデザインを含めたマスターモデル・成形型製作に関する打ち合わせです。
【参加メンバー】
中村社長(デザイナー) 高橋さん(モデラー) 中村管理部長 金山(ASM) 松島(ASM)
どんなコンセプトで製作/デザインするか、それぞれの素材/製法は何かを伝え、最大限の効率を考えながら成形型投資を検討しました。初めてだから先が見えないまま手がけることしかできなかったS2000と違って、86/BRZでは全体像を見ながら内容を判断できます。お客様達からいただいた大切なお金を使って投資するから無駄遣いはできません。
モデリング室に86を入れて、まずは車体の概略を確認しました。
(1)カーボンボンネット(CFRP/FRP)
BOXERエンジンの排気管レイアウトに合わせて、排熱ダクトをレイアウトしたボンネットを製作します。S-GT500マシンやASM S2000と同じカーボンプリプレグ/オートクレーブ成形モデルと、同形状のFRPモデルを用意します。裏骨構造を利用してダクトから水が浸入しない構造にします。
(2)カーボンリヤウィング(CFRP)
複数のRゲージをトランク・リヤバンパーに当てて測定したところS2000と似たカーブだったので、新規製作するウィング本体は86/BRZとS2000を共通化します。実績のある翼断面基本デザインは共通ながら5R規制に対応したエッジ形状にすることで、車検も問題ありません。このウィング本体+S2000用に製作したR規制対応翼端板+86/BRZ専用ステーを組み合わせ、ボルトナット以外全てカーボンプリプレグ/オートクレーブ成形品です。
(3)カーボントランク(CFRP)
裏側のカバーを剥がして構造(=剛性)を確認しました。ASMリヤウィング装着を前提に開発しますが、カーボンの積層方法と裏骨構造見直して、万が一お客様が市販GTウィングを装着した場合の安全性にも最大限配慮します(他社製品との組み合わせは推奨しません=責任持ちませんが)。ノーマル形状のまま素材置換で軽量化します。
(4)フロントスポイラー(FRP/WET-CF検討)
86/BRZのデザインを生かしつつ、空力性能をイメージさせる形状のリップスポイラーを検討します。CFRP製フロントバンパーを製作したいところですが、86/BRZの基本デザインが好きだから車を買ったお客様にASMデザインを押し付けるより、純正デザインのままレーシングカーの空力性能を付加するエアロパーツが良いと判断しました。
(6)サイドスポイラー(CFRP/WET-CF)
ゲージを当てて取付部分の水平を確認できたので、S2000用と同じイメージの製品を用意します。
様々な機密事項が満載の工場内ですが、
予め生産スケジュール調整をお願いして、オートクレーブの前でASM 86の記念撮影をしました。
S2000用I.S.Designエアロパーツを創り出した2004年と同じように、社長自らデザイン/検討し、モデラー高橋さんが物作りを本気で楽しみ、中村さんが厳密に工程管理する、そんなワクワクする時間は(予想より早く)2015年3月から始まる可能性が出てきました。S2000用エアロパーツと同レベルの性能・製法・価格をベースに、10年の経験値と物作りに対する思いを反映した製品に仕上がることでしょう。
次に同じ埼玉県にあるSACLAM(サクラム)で、排気管について打ち合わせです。
以前SACLAMでは一度86を購入して排気管を作ったことがありますが、加速騒音規制・近接排気騒音・性能と冷間始動音・車内外排気音質のバランスが求める物にならず、排気管製作を諦めた経緯と理由を確認しなければ、スタートラインに立てません。
試着して車内外の音と過去の経験を照合しながら聴き比べた感想は、『宇野さんが納得できない理由が分かった』でした。実際に負荷をかけて走行したとしても、エンジンルーム内の盛大な音に排気音はかき消されることが予想できます。パイプレイアウトが不等長で触媒の目がギッシリ詰まった純正エキマニとの組み合わせでは、キレのある音作りはできないと分かりました。次回は性能と品質のバランスが高い市販エキマニを選択/装着して、再度装着確認に行きます。
エアロパーツ・排気管共に、S2000の影を追いかけるつもりはありません。本気で検討したからこそ良い製品が完成した時嬉しいし、妥協しても納得できるし、同じ86/BRZオーナーさんに自信を持ってお薦めできると思います。お客さんも完成までの道のりを一緒に楽しんで下さい。
この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=2768
2013年春のカーボン
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