RECARO SP-X Avant LL210 <Prototype>
Tokyo Auto Salon 2013で発表になったNew SP-Xの最終試作品が入荷しました。カーボンプリプレグシェルはそのままに、本革(赤い部分はプレミアムレザー)と赤Wステッチを組み合わせたモデルで、最初のSP-Xで発生していた細かい不具合を全て解消した傑作に仕上がっています。
前作は数値上では高強度/高剛性ですが、実際に座るとギシギシ異音がしたから質感が低かったです。新型ではそれが解消し、想像しやすく言うと昔のスカイラインGT-Rと現行ニッサンGT-R、993型ポルシェ911と998型ポルシェ911、つまり工業製品として何もかも良くなりました。
細部の軽量化により本体は1kg以上軽量化しましたが、電動リクライナー機能を追加したため相殺されているようです。でも日常の使い勝手を考えればこれはいい選択だったかもしれません。ベルトホールはSR-7で見慣れたそれですが、シルバー塗装されているのが新鮮です。RECARO SR-7 ASM LIMITED Rubyを企画していた頃まさにこうしようと思っていましたが、耐久テストの時間とコストを考慮して中止した経緯があるので羨ましいです。
『ニッサンGT-Rのオプションシートと同じ』
よく理解せず評論するとそう見えるかもしれませんが、裏返してみるとGT-R用とは全く異なる完全オリジナル形状の座面に成っていることが分かります。前作では装着するために必要なサイドステーを組み合わせると座面が高くなってしまっていたのが、座面底部形状を専用設計することでポジション設定の自由度が向上しました。
そして最大の特長はシェルです。カーボン模様(プリントとかウェットとか)ではなく、ASM S2000 1号車やS-GT500マシンと同じ加圧成形したカーボンプリプレグ オートクレーブ成形品で、新設計したとのことでした。写真には少ししか写っていませんが、僕でさえ「ここは普通の樹脂でいいんじゃないですか?」と言ったほどなのに、シェルサイドパネル部まで同じ素材/製法にする拘り方です。前倒しレバーはSPORTSTERと共通化され、ここも弱点を改善してありました。
ASMに1週間ぐらい置いてあるので座ってみてください。あまりの座り心地の良さに感動しますから。
■RECARO SP-X Avant LL210 80万円前後
■RECARO SP-X Avant CL210 70万円前後
自由に体感できる試座シートだけで常時18脚・総展示数160脚、AUTOBACS ASM YOKOHAMA
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