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ASM筑波最速プロジェクト2004結果報告
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REVSPEED 筑波スーパーバトル2003で初参戦・クラス優勝・史上初のNA1分切りを達成したASMは、S2000の持つ更なる可能性を信じ、全てを捨てて1からASM 筑波スペシャルを製作しました。 |
テーマは「パワー・トラクション・エアロダイナミクス」 |
最高出力305psに向上したTODA 2.4Lエンジン、パワーを受け止めてトラクションを路面に伝える新シャーシ、軽量化とダウンフォースに着目した数々のエアロパーツを手に入れて、GT500ドライバーでF3やルマンなど空力を知り尽くしている加藤寛規選手に変更しました。 |
2003年シャーシで臨んだ鈴鹿でのシェイクダウンでは全くトラクションがかからず、オイルタンクや燃料系にもトラブルが多発し、熟成不足を露呈する結果に終わりました。筑波サーキットにステージを移しテストするにあたりシャーシを一新し、ドライバーのコメントから「剛性不足」と言う言葉を消すことに成功です。同時に2004年夏に販売開始したASMオリジナルブランド「I.S.Design」のエアロパーツを次々と導入。前後ディフューザー、サイドスポイラーなどの相乗効果でテスト毎に0.5秒単位でタイムアップし、前日テストでは59秒2を記録です。 |
アタック当日、気温は事前の想定を大きく超えて17度に達し、エンジンのアドバンテージが少なくなりました。路面温度も上昇です。用意したタイヤはADVAN A048のSコンパウンド、この路温ではアタック1周もつかどうか微妙になりました。今回は同時出走が13台と非常に多くクリアラップを取ることが困難だったので、1回のアタックでタイムを出さなければいけません。そこで1ヒートでフレッシュタイヤを2セット使用して2回アタックする作戦を選択です。各社車両がコースインしてタイムアタックに入った頃を見計らってASM筑波スペシャルもコースイン、タイヤを温存しつつアウトラップを周回していよいよタイムアタックに入りました。 |
計測1周目で59秒379、いきなりトップタイムを記録して会場が一気にヒートアップです。そんな中全く喜びを表すことなく作戦通りすぐにピットイン、夢の58秒台を目指して同サイズ同コンパウンドのフレッシュタイヤに交換して再度コースに送り出します。 |
計測2周目。最終コーナーを今までになかった姿勢で脱出し、加藤寛規選手が暴れる車体をステアリングワークでねじ伏せて立ち上がってきたASM筑波スペシャル 2004は、FR/NA OPEN CLASSレコードを0.671秒短縮する59秒283を記録して、2年連続クラス優勝を決定的なものにしました。 |
今回のタイムアタックを通じて、セッティングの大切さと難しさを改めて思い知りました。様々なセッティングとドライバーの数々のコメント・タイム・ロガーデータ、これら全ては製品に、今後の様々なユーザー車両のセッティングに生かせる貴重な財産です。 |
2003年はとにかくガムシャラに走り抜けたタイムアタックで1分切りできましたが、スタートラインにやっと立てただけでした。2004年は前年のデータと車両分析を基に、車両を作り直す大プロジェクトになりました。各セクションを担当するエンジニアが意地とプライドをかけてこのプロジェクトに取り組んだ結果が悪いはずがありません。 |
そして2005年。2004年のロガーデータから、タイヤサイズ、ミッションにまだまだ検討の余地があることはすでに明確になっています。今回のアタックでテーマに掲げたエアロダイナミクスの向上がタイムアップに繋がることがはっきりしたので、空力性能をさらに向上して今年達成できなかった58秒台に挑戦します。 |
応援ならびにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。 |
ASMプロジェクトリーダー 金山 新一郎 |
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ASM TSUKUBA SPECIAL 2004 |
■エンジン系 |
エンジン形式 | F20C TODA 2.4L Engine |
最大パワー(PS/rpm) | 305/8000 |
最大トルク(kg/rpm) | 30.0/6500 |
ボア(mm)×ストローク(mm) | 87×100 |
総排気量(CC) | 2377 |
圧縮比 | 13.0:1 |
エキマニ | ASMエキゾーストマニホールド04 |
マフラー | ASMワンオフ |
ピストン | TODA POWER |
コンロッド | TODA POWER |
クランク | TODA POWER |
コンロッドメタル | STD |
クランクメタル | STD |
オイルポンプ | TODA POWER |
カムシャフトIN | 295度 リフト13mm |
カムシャフトEX | 290度 リフト12mm |
バルブスプリング | TODA POWER |
オイルクーラー | ARC 1段 |
ラジエター | FWIN アルミ3層 |
プラグ | NGK 10番 |
燃焼室加工 | TODA RACING |
ポート加工 | TODA RACING |
インジェクター | STD |
フューエルポンプ | BOSCH |
エアクリーナー | − |
その他 | TODAスポーツインジェクション(50パイ)TODAドライサンプキット TODA2.4Lキット |
■電子パーツ |
CPU | MOTEC |
追加メーター | ASMマルチビジョンメーター |
その他 | − |
■駆動系 |
ミッション | ASMミッションASSY |
クラッチ | EXEDY |
フライホイール | TODA POWER |
デフ | OS技研 2WAY |
ファイナル | 4.3 |
プロペラシャフト | ASMカーボンプロペラシャフト |
■シャーシ |
ロールゲージ | ワンオフ |
その他ボディ補強 | ASMリヤ強化サブフレーム |
■足回り |
スプリング(F/R) | SWIFT F:24kg/mm R:24kg/mm |
ショック(F/R) | SACHS 2WAY ASM筑波スペシャル2004 |
アッパーマウント | CUSCO |
その他 | − |
■ブレーキ系 |
キャリパー | F:AP RACING(ASMオリジナル)/R:純正 |
パッド(F/R) | F/R フェロードDS3000 |
ローター(F/R) | F:AP RACING(ASMオリジナル)/R:純正 |
ブレーキホース | F:BF GOODRIGE(ASMオリジナル) R:無限 |
使用フルード | AP RACING |
■タイヤホイール |
タイヤ(銘柄/F/R) | ヨコハマ ADVAN A048 F/R 245/40-17 |
ホイール(銘柄/F/R) | Prodrive GC-07C 17-9J ASMオリジナルオフセット |
■エクステリアパーツ |
フロントバンパー | ASM I.S.Designフロントエアロバンパー |
フロントスポイラー | ASM フロントカーボンリップスポイラー |
フロントフェンダー | ASM I.S.Designフロントエアロフェンダー |
フロントディフューザー | ASM I.S.Designフロントディフューザー |
ボンネット | ASM I.S.Designエアロボンネット |
サイドステップ | ASM I.S.Designサイドエアロスポイラー |
ルーフ | 無限 |
ドア | ASM ドライカーボンドア |
リヤフェンダー | ASM I.S.Designリヤオーバーフェンダー |
トランク | ASM ドライカーボントランク |
リヤバンパー | ASM リヤエアロバンパー |
リヤウィング | ASM I.S.Designリヤウィング |
リヤディフューザー | ASM I.S.Designリヤディフューザー |
フロントガラス | ASM ポリカーボネートウィンドウ |
サイドガラス | ASM アクリルウィンドウ |
■インテリア |
シート | RECARO SP-A ASMスペシャル |
ベルト | TAKATA |
その他 | ASMカーボンダッシュボード |
ASM 筑波最速Project 2004に共感し協力いただいた皆さん
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■加藤寛規選手
タイムアタックで勝つ、それだけのためならチューニングカーに乗りなれたドライバーがいいのですが、我々の本当の目的は速い車を造ること。そのためには壊さず速く走る技術、正確に評価分析するセンサーと表現力を持ち合わせたドライバーであることが必須でした。初めてのチューニングカーで初めてのSタイヤ、そんな中で見事に車をまとめてくれたとてもクレバーなドライバーです。
■TODA RACING
2003-2004と2年連続でASM筑波スペシャルにエンジンを供給いただきました。レースで培った最高峰の技術力により産み出された圧倒的パワーとドライバーがミスさえしなければ壊れない信頼感でASM筑波スペシャルを勝利に導いてくれました。筑波2000バックストレートで202km/hを記録し、そのパワーを実証しました。
■D-DREAM
ASM筑波スペシャル2004のシャーシの製作を依頼しました。ドイツ・ニュルブルクリンクをはじめ数多くの耐久レースでの実績を持つレーシングショップです。車両エンジニアにおいても多大な協力をいただきました。タイムに直結しないこだわりや感性よりもセオリーとデータを基本に的確なシャーシ製作をするレーシングショップです。
■Yamaco Enterprise
SACHSサスペンションの開発を依頼しました。調整の幅が非常に広く、特性に関しても細かいオーダーに応えていただきました。またジオメトリー見直しなど、サスペンション全体に関してもアドバイスをいただきました。
■NICOLE RACING JAPAN
ASMオリジナルとして市販予定のAP RACINGキャリパーの様々なデータ提供、テスト期間中のデータ収集と分析で多大な協力をいただきました。
■Prodrive Japan
2003年に引き続きホイールの供給をいただきました。軽量なだけでなく剛性面においてもドライバーの評価が高いホイールでした。
■M-TEC
S耐で性能をいかんなく発揮した無限ハードトップを供給いただきました。もともとインテグラレース用パーツのマルチビジョンメーターも当社とS2000用として共同開発し車両に装着。視認性の良いアナログメーターは極限のアタックでドライバーの負担を軽減しました。
■RECARO JAPAN
オートクレーブ成形のカーボンシェルを採用した究極のシート「SP-A」をHONDA Type-Rイメージの赤に変更して供給いただきました。ポジション、ホールド性でドライバーから高い評価を得ています。
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