横浜市中区、楽しい自動車生活を創り出すお店<ASM>をプロデュースしています。S2000・RECAROを切り口に、色々な話題をお届けします。
2018年2月 1号車筑波テスト・Attack -2018- Tsukuba Championship に向けて、セットアップに着手しました。 (1)ADVAN A050 295/30-18(外径635mm)に合わせた車高セット ラジアルタイヤPOTENZA RE-71Rでは285/30-18(外径629mm)を装着していましたが、SタイヤADVAN A050ではサイズ設定の関係で外径が6mm大きくなります。今のダンパー寸法で装着すると車高は3mm高くなり、インナーフェンダーとタイヤの距離は3mm近づいて干渉するので、クリアランスを確保するために合計6mm車高アップします。6mmも高くなるとダウンフォースが減って筑波で0.5秒ぐらい遅くなる可能性があるので、5.5mm→5.0mm→4.5mmと少しでも低い車高セッティングをしないといけません。 (2)前ポリカーボネートウィンドウのクリア塗装除去 視界を回復するため、内側クリア塗装剥がし作業のため車体から前ウィンドウを外しました。 <軽量化> (3)Xボーンフレーム前端肉抜き追加 (4)Xボーンフレーム前端周辺パネルをカーボン置換 (5)前オイルキャッチタンク移設と後オイルキャッチタンク撤去 Xボーンフレーム先端部分の肉抜き面積を増やしたり、スチールパネルを切除してカーボン材に素材変更したり、エンジンルームとリヤバンパーに2個設置していたオイルキャッチタンクを1個に減らす他、軽量化を優先してブレーキローターをAP RACING製に変更します。 <空力> (6)ナンバー奥スチール切除 (7)センターディフューザー 内側バーティカルフィン変更 (8)センターディフューザー 空気排出フィン追加 (9)リヤディフューザー面積拡大 リヤバンパーのナンバープレート部分は抜いていますが、奥に見えているシャーシパネルの下半分を切除して空気溜まりをもっと減らします。センターディフューザー内側の縦フィンを伸ばして後方に流れやすくすると同時に、最高速ロードカーLa Ferrariを参考にした整流フィンを新設してタイヤ間の乱流を外部に放出することで、車高アップに因るダウンフォース低下軽減を狙いました。 さらに、スムーズに空気を抜き出すためリヤディフューザーを改造します。1号車のリヤサスペンションアームはジャッキアップしてもほとんど伸びないので、リヤディフューザー真ん中部分をタイヤ方向に向けて延長して、面積を拡大します。完成したら画像を掲載します。正解か間違いかの判断を含めて、低ドラッグ/高ダウンフォースを両立した鈴鹿でも筑波でも速い車作りの参考にして下さい。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3467ASM筑波スペシャル2008シェイクダウンは恒例の岡山国際サーキット
REVSPEED鈴鹿サーキット走行会で、ASM S2000タイムアタック号をテストしました。 2010年2月に開催されたSuzuka de I heart Honda. でSタイヤの2号車を走らせてから7年10か月、ラジアルNA最速マシン1号車を鈴鹿サーキットに持ち込んで、早くも2018年シーズンに向けたシェイクダウンです。鈴鹿サーキットはパワー・トラクション・エアロダイナミクスを高レベルにバランスすることが求められる世界有数のレーシングコースで、ここで速いHONDAは心から格好良いと感じます。 サクシードスポーツ市川さん・G.T WORKS寺崎源さん・NUTEC中野さんなどお世話になっているチームASMメンバーが見学に集まったり、お客様も一緒にタイヤ交換してくれた緩い雰囲気でしたが、心の中では富士と筑波で作り上げた1号車が鈴鹿でどこまで通用するか期待と不安でドキドキでした。 ステー延長によりミラー本体を翼端板の外に移設して、前フェンダー上面からリヤウィングに向けた空気の流れを整流したり、前ディフューザー翼端板形状を変更してカナード下面の空気流速を上げたり、ディフューザーのタイヤ前方アップスイープ部分にフィンを追加して安定性を向上させたり、筑波スーパーバトルに向けて導入していた空力デバイスは、鈴鹿では間違いなく効果を発揮するはずです。ドライバーは加藤寛規選手、みんなが見守る中1号車はコースインしました。 1ヒート目。エンジンオイルとブローバイが3L近くオイルキャッチタンクに入り溢れて、被害が拡大しました。オイルキャッチタンクは2個/4Lの容量があるのにどうして溢れたのか、今回テスト最大の謎です。G.T WORKS寺崎源さんはサクシードスポーツ市川さんに『タンクの内部形状が悪いんじゃないですか?』と喧嘩を売っていましたが、戸田レーシング島田さんと電話相談した結果、溢れたのは水と保険を兼ねて余分に入れたエンジンオイルだから問題なしと判断して、とりあえず2ヒート目に臨みます。 【12/30追記】 エンジンルーム内タンクにはエンジンオイルが0.5L溜まっていました。オイル混じりのブローバイがリヤタンクと溢れた分で2Lとすれば、計算が合ってすっきりしました。 電動W/Pは全く問題なく水温は安定し、油温も103度で安定していました。ところがギヤ比が全く合ってなく、表も裏もストレートの半分手前でリミッターに当たります。そのままパンパンパンパン・・とリミッターに当たったまま走り続けたところ油温が113度まで上がる場面があったため、アクセルを抜いてクルージングしながら出したタイムは2分16秒922でした。現在のウェットサンプエンジンはトルクバンドが広いため、デフファイナルを4.3から4.1を飛ばして3.9までロング化がベストかもしれません。 2年間筑波テストして作り上げたASM S2000 1号車は、鈴鹿でも十分通用しました。ギヤ比さえ合わせれば3秒速い2分13秒台に中古ラジアルタイヤで確実に入るし、高速コーナーでのフラツキなど筑波の速度レンジでは表面化しなかった問題も分かりました。本気で『1号車でのタイムアタックは終わり』と考えていたけど、新たな課題と目標が見つかったので2018年も走ります。Sタイヤを履いて筑波スーパーバトル本番56秒台/鈴鹿2分10秒台で走る速さを手に入れ、ラジアルでもSタイヤでも日本最速を奪還します。 ■2017年12月 1号車鈴鹿テスト 2分16秒922 装着タイヤ POTENZA RE-71R ドライバー:加藤寛規選手 チーフエンジニア:坂上(ASM) メカニック:阿部(ASM) <ASM応援団> 市川さん(SUCCEEDSPORTS) 寺崎源さん(G.T WORKS) 中野さん(NUTEC) 柴田さん(PROKIDAI)VIDEO この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3463復活前夜
12/26(火)鈴鹿サーキット走行会はシートを変更します。筑波スーパーバトルではRECARO新モータースポーツシェルのドライカーボンオートクレーブ成形CFRPモデル・PRO RACER RMS 2600A を装着して、ラジアルNAコースレコードを更新しました。剛性や形状にこだわり抜いた新型シェルとウレタンパッド化によるインフォメーション伝達性で、従来のPRO RACER SP-Aよりはるかに戦闘力が向上したことを確認しています。 鈴鹿サーキットでは通常FRPモデル2700Gをテストします。開発段階では、カーボンケブラー素材を採用している現行PRO RACER SP-Aと同等の剛性を持っていると聞いています。もちろん限界性能が高いのはCFRPモデルですが、FRPモデルこそ性能/価格のバランスが高いかもしれません。 ■RECARO PRO RACER RMS 2700G(FRP) 156,600円 <税抜価格 145,000円/税額 11,600円> 去年までは、経年劣化によりポリカーボネートウィンドウ表面のガラスコート層がなくなり、湿気が原因でいつも曇ったヘッドライトのような状態になっていました。だから走行前1日かけて磨いていましたが、その手間をなくすために樹脂素材向けハードコートクリア塗装をしたのです。ところがこの判断が大失敗でした。車載映像や写真では分からないですが、まともな視界がない状態でタイムアタックさせてしまったのです。土砂降りの朝、箱根ターンパイクを油膜だらけのガラスにワイパーなしで走る状況を想像して下さい。 鈴鹿サーキットは筑波より速度レンジが高くて暗い部分も多いから、この状態ではまともに走行できません。スタッフ2人がかりで1週間かけて塗膜を剥がしましたが、PRO RACER RMSを装着して確認したところ黄色部分の追加施工が必要と判断しました。加藤寛規選手に負わせたリスクとかかったコスト・時間を『いい勉強代だった』と言うために、鈴鹿に向けて万全の対策を行います。サクシードスポーツ市川さん・PROKIDAI柴田さん・G.T WORKS寺崎源さん・ZFダンパーやDREXLER LSDでお世話になった中野さんが集合します。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3462マイナス0.473秒
ラジアルNAコースレコードを更新を目指して、REVSPEED筑波スーパーバトル2017に参加しました。 <2017年仕様の変更点> (1)EWP本体をDAVIES CRAIGからトヨタ純正改に変更 (2)EWP制御を手動ON/OFFスイッチからDAVIES CRAIGに変更 (3)自社でのテスト結果に基づき風流・空力対策 (4)ラジエーター・オイルクーラー小型化 (5)電動パワステ作動安定のため車速パルス発生装置を製作 (6)前ポリカーボネートウィンドウ表面をクリア塗装して視界確保RECARO本社から届いた新モータースポーツシェル、PRO RACER RMS を装着して臨みます。 走行時間17分の1ヒート目。去年のタイムアタックで使用した中古POTENZA RE-71Rでスタート後、5分(計測2周)で改造箇所の状況を確認しました。電動ウォーターポンプはトラブルなく水温70度・油温101度で安定しています。電動パワーステアリングの作動など(1)から(5)まで問題なしと判断してピットイン、タイヤウォーマーで温度管理したニュータイヤにわずか90秒で交換して再びコースに戻りました。 ところがアウトラップ後も1分1秒台とタイムが上がりません。原因は(6)クリア塗装したポリカーボネートウィンドウに因る視界不良でした。停車している時は少し見にくい程度ですが、走り始めると前方車のテールランプが4つに見えたり、コースと縁石の繋ぎ目さえも見えない状態だったそうです。でも加藤寛規選手は賭けに出て、タイヤの良い所が終わる前にタイムアタックに入ります。 走行開始9分30秒を経過して残り6分半を切った計測4周目。ラジアルNAコースレコードを更新する58秒419を記録、連続してタイムアタックして58秒308を記録しました。去年の58秒927から0.6秒も大幅タイムアップです。ベストベストで想定していた58秒5さえも上回る好タイムに、ASMピット内から歓喜の声が止まりません。 2017年は、去年のセクターベスト58秒6を記録するため車の完成度を高めるチューニングしかしていません。タイヤ銘柄/サイズ・車高・減衰まで2016年のタイムアタック本番と全く同じセッティングで持ち込んだのに、コースレコードを0.6秒以上更新できました。トラブルだらけのシェイクダウン後、ぶっつけ本番でフロントガラス視界不良まで背負わせてしまい、加藤寛規選手には申し訳なかったです。 2007年からサーキットに取り組み始めた1号車の完成度は、ついに2号車に並んで超えるレベルに到達です。加藤寛規選手のコメントによると、今SタイヤADVAN A050に履き替えれば、2006年に記録した2号車のNAチューニングカーコースレコード57秒398を更新して、56秒台に入っていた可能性がありました。 1号車製作と同時に取り組んできたのはチーム体制作りです。2006年に坂上さんをチーフエンジニアとして迎え、チーフメカニックに成長した八百と新加入メカニック阿部がコンビを組み、電気マネジメントは全て松島さんが行いました。車両製作から当日走行まで行えるチーム体制が完成です。ワールドタイムアタックWTACから帰国したS15シルビアのアンダー鈴木さんやNOB谷口選手の話を聞いて、10年かかって作り上げたASMチームと1号車で、世界に挑戦してみたいと強く感じました。ASM S2000で何を目指すのか、やりたいこと/やるべきことを考えて出す結論が自分自身も楽しみです。 ■ASM筑波スペシャル2017チームメンバー ドライバー:加藤寛規選手 チーフエンジニア:坂上(ASM) チーフメカニック:八百(ASM) メカニック:阿部(ASM) 電気マネジメント:松島(ASM) エンジンマネジメント:田原さん(戸田レーシング) 写真:田中(TANAKA) 総合プロデューサー 金山 公式タイム 58秒308(ラジアルNAレコード更新)OP-FRクラス5位/総合8位 公式最高速度 188.745km/h 装着タイヤ POTENZA RE-71R VIDEO この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=34565連覇
ASM S2000タイムアタック号の前窓には、既に廃盤になったASMポリカーボネートウィンドウを装着しています。ドライバーより前方/高い位置で純正ガラスと比べて約4kg軽量化しているので、カーボンダッシュボードと合わせて運動性能面で大きなメリットがあるでしょう。2004年頃この製品を購入してくれたお客様が、『サーキットの路面状況がガラスより鮮明で分かりやすい』と驚いていたことを覚えています。 ところが、ポリカーボネート表面は吸湿すると白く曇る欠点があります。S2000に限らずヘッドライト表面が曇っている車両を見かけますが、あれも同じです。対策として湿気とポリカーボネートの表面が直接触れ合わないようにガラスコートされていますが、市販ガラスクリーナーやアルコールで拭くと、ガラスコートが剥がれ落ちて曇るようになります。そこで走行前メンテナンスの時間短縮とドライバーの視認性向上のため、車体から外して残ったガラスコートを剥がし、表面を整えて強固なクリア塗装を施しました。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3451濃密に表現されるASMらしさ
ASM S2000タイムアタック号のパワステシステム回路は、ホンダ純正ABSセンサーを残しつつもう1つABSセンサーを追加して、そのアナログ信号をAC/DC変換ユニットにより疑似デジタル信号化してパワステコンピューターに入力していますが、シェイクダウンでは作動しませんでした。変換ユニットに不具合が出てパワステコンピューターが破損したかアース配線漏れを疑いましたが、ABSセンサーに汚れが付着して車速パルスを出力できなかったことが原因でした。 またこのシステム回路の場合、回転信号だから一定速度が出ないと車速パルスが発生しないため、パワステコンピューターの電源を入れるためには走行しないといけないことが、セットアップ時に事前点検できなかった理由です。そこでセンサー位置を前ハブから後ハブに移設し、ジャッキアップした状態でも車速パルスを発生するように改善しています。 2017年は上記システム回路を残しつつ、新たに電源ONすると常に車速パルスを発生する新規部品を製作して、イグニッションONするとパワステが効くようにします。追加ABSセンサー→AC/DC変換ユニット→パワステコンピューターではなく、新規部品から直接パワステコンピューターに信号が送られてシンプルになるし、エンジン始動しただけでパワステ動作確認できるので理想的かもしれません。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=344811月富士テストに向けて
ASM S2000タイムアタック号に、SUCCEEDSPORTS製オイルキャッチタンクを装着しました。 2016年は、半円柱形状のオクヤマ製オイルキャッチタンクを、エンジンルーム内スペースの都合で助手席足元に設置していました。NAG内圧コントロールバルブ配管は永冶社長のアドバイス通りのホース径・取り回しにしてあります。2017年のテーマは<軽量化・効率化・信頼性向上>だったにも関わらずシェイクダウンは失敗して、12/7筑波スーパーバトル本番が2回目のテスト、12/26レブスピード鈴鹿走行会が3回目のテストです。 信頼性を優先して今回はしませんが、シーズン後ヒューズBOXを室内に移設します。バッテリー・ECU・ヒューズBOX間の配線が短くなって電気効率向上と軽量化できるから、速さのために無駄な作業ではありません。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3442軽量化を徹底したNAエンジンで参戦
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