横浜市中区、楽しい自動車生活を創り出すお店<ASM>をプロデュースしています。S2000・RECAROを切り口に、色々な話題をお届けします。
2003年、SタイヤでREVSPEED筑波スーパーバトル史上初のNA1分切り59秒954から始まったASM S2000のタイムアタックは、2006年に同大会NAコースレコードの57秒398を記録し、2009年からラジアルタイヤ装着車に変更して、2013年に同大会ラジアルNA初の筑波1分切り59秒990、2016年には58秒927を記録しました。 ASMの大きな原動力になったタイムアタック活動も、今シーズンで最後になるかもしれません。エンジン・車体側で出来ることはほとんどなくなり、そこに大きなコストをかけてもユーザーには違いが分からず、流行の過給機やジムカーナタイヤでの派手なタイムの方がメディアにも分かりやすいからです。今シーズンは、新しい何かをくっつけて速くするのではなく、技術・経験と新しい知識で理論的にまとめ、完成度を高めます。 2016年電動ウォーターポンプ化を検討した時、当初はDAVIES,CRAG社のEWP80(流量毎分80L)を想定していました。その理由は、桁違いの発熱量のD1マシンや日本最速のアンダー鈴木さんS15にも採用されているからです。また、戸田レーシング社で行った過去のテストや純正機械式ポンプの特性・容量から、流量毎分80Lで十分と判断しました。 ところが、DAVIES,CRAG社EWPは圧力損失による性能ダウンが弱点で、比較的自由にレイアウトできるASM S2000 T/A号では、高い水温対策としてラジエターホースの曲がり角度を少し変更しただけなのに、5度単位の水温変化がありました。配管レイアウト自由度が低い市販車では設計流量を確保ず、去年はEWP115(流量毎分115L)が必要だったと推測します。 そこで今年は、去年装着できなかったトヨタ純正電動ウォーターポンプ(流量毎分80L)に変更します。30プリウスに純正装着されておりトヨタ純正パーツならではの高い信頼性と吐出性能を併せ持つ、エンジンを保護して欲しい戸田レーシング島田さんが、自信を持って推薦してくれた部品です。EWP115より1.45kg重い(1,100g → 2,550g)ですが、低め位置での重量増だから重心が下がるメリットにも繋がります。スペック通りの流量を確保できれば小型ラジエターに変更して重量増を相殺し、もしかしたら軽量化できるかもしれません。夏のテスト結果を楽しみにして下さい。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=33272008年8月、1号車筑波テスト
昨日はREVSPEED誌の取材でした。筑波SUPER LAP 2016でラジアルNAレコード58秒927を記録できたポイントは17.5kgの軽量化と低重心化でしたが、特に大きかったのは、出力数値だけではなく13kg以上軽量化することで運動性能を向上してタイム短縮を実現した、戸田レーシング島田さんのエンジンデザインです。軽量化と引き替えに失ったレスポンスを補完するため採用した部品や、軽量化に貢献したASM新製品群も紹介しました。 開店早々から始まり終わったのは夕刻、ASMに入庫していたお客様車両を撮影したり、ASM 86に装着したI.S.Designサイレンサーキット86の排気音を聴いてもらいながら86/BRZオーナーさん達に魅力を伝える方法を相談したり、とても充実した時間を過ごせました。取材があるとピットが綺麗になります。今週末開催される東京オートサロンの帰り道、首都高湾岸線新山下ランプを降りてすぐのASMにもお立ち寄り下さい。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3254取材でした
2017年シーズンに向けて、ASM S2000 T/A号のタイヤ選択を検討しています。 『Sタイヤを履きたい』と言ってみたものの、RE-71Rを継続して試したいセッティングもあります。また、Sタイヤ/ラジアル区分が無意味なPOTENZA RE-05Dが出現しました。ホイールサイズは18×10.5J+20だから、タイヤサイズは空力性能を考慮して2016年の285/30-18がベスト、2015年の295/30-18でも可です。Sタイヤを選択してNA最速タイムを更新するか、RE-71RでラジアルNA最速タイム更新を目指すか、それぞれのタイヤのメリット/デメリットをまとめました。(1)YH ADVAN A050 295/30-18 Sタイヤ ○ タイムアタック向けSタイヤとして最も実績がある。 × 295サイズだから車高が上がり、ダウンフォースが低下する。 × NA56秒台出たらすごいけど、お金と時間をかける意味が見い出せない。(2)BS POTENZA RE-71R 285/30-18 ラジアルタイヤ ○ 2016年仕様の延長線上でサスセッティングをテストできる。 × 今のパッケージで1秒短縮は物理的に不可能、派手さはない。(3)DL DIREZZA 03G 285/30-18 Sタイヤ ○ 285/30-18サイズが設定されていて、現状空力性能を維持できる。 × タイヤの性格が現状のセッティングと全く合わない可能性が高い。(4)YH ADVAN A052 295/30-18 ラジアルタイヤ? ○ 雑誌情報によれば、POTENZA RE-71Rより少しグリップが高いらしい。 × 295サイズだから車高が上がり、タイヤグリップ向上と空力ダウンで相殺する可能性あり。(5)BS POTENZA RE-05D サイズ設定なし ジムカーナ専用タイヤ ○ POTENZA RE-71Rとは格違い、Sタイヤ並みのグリップがある。 × ホイールサイズに適したタイヤサイズが設定されていない。 × 筑波計測3周持たない非日常製品だから、ASMとしては選ぶ意味が感じられない。 多少のデメリットがあってもNA最速タイム更新を狙える(1)、今年不十分だったテストを継続してラジアルNA最速タイム更新を目指す(2)が選択肢です。他には、Sタイヤの新しい可能性を探る(3)ですが、話題性だけならジムカーナコンパウンドと縦溝2本を組み合わせてラジアルタイヤに区分される(5)かもしれません。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3243D-DREAM訪問
元祖筑波SUPER LAPで、ラジアルNA国産車最速レコード58秒927を記録できました。 ドライバーは13年続けて加藤寛規選手です。 戸田レーシング島田さんが、パワーではなくタイムを追求したエンジン周り軽量化と、ベルハウジングやハーネスまで徹底した軽量化による運動性能、二コルレーシング児玉さん監修の電動W/PとNAG減圧バルブによる低フリクション化が主な変更点だった2016年、事前テストは11/9のシェイクダウン1回だけと言う過去最も熟成不足な状態で臨みました。 自然吸気エンジンにこだわったコーナーリングマシンのASM S2000がタイムを出せるのは、気温が低くて路面が荒れていない朝1本目の走行枠だけと決まっています。中古タイヤで走り出して59秒396を記録した後ピットIN、NEWタイヤに交換して再びコースに戻り計測1周目に記録した公式タイムは58秒927、一発で目標達成です。 路面コンディションが悪く1コーナー・1ヘア・2ヘアの立ち上がりで0.1秒ずつ遅かったことと、燃料ポンプ電源接触不良が原因でガス欠症状が出る中でもタイム更新して2015年ベストタイムを連発する地力があり、ロガー上では58秒6まで可能でした。 今年オープンクラス(改造無制限)走行は、いつもの筑波スーパーバトルではなくSPEED×SOUNDトロフィー内コンテンツの元祖筑波SUPER LAPとして開催されました。平日開催とは比べ物にならない来場者数の中で走行できて楽しかったです。来年はSタイヤに履き替えて、2014年に挑戦して失敗した目標 <ASM筑波スペシャル#2のNA最速レコード57秒398> のさらに先、NAチューニングカー最速の筑波56秒台に再び挑戦します。■ASM筑波スペシャル2016チームメンバー(順不同) ドライバー:加藤寛規選手 チーフエンジニア:坂上(ASM) チーフメカニック:八百(ASM) メカニック:松島(ASM)・丸田(ASM) エンジンマネジメント:田原さん(戸田レーシング) 電動W/Pマネジメント:児玉さん(二コルレーシング) 公式タイム 58秒927(ラジアルNAコースレコード更新)/公式最高速度 183.549km/h 装着タイヤ POTENZA RE-71R VIDEO ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2009 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2010 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2011 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2012 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2013 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2014 ・ REVSPEED筑波スーパーバトル2015 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3241
12/4(日)筑波タイムアタックに向けて、セットアップが完了しました。 フロントバンパー左右のブレーキダクトはラジエター開口部に変更したので、空気抵抗を減らすために透明ガードテープで塞ぎました。過給機パワーで空気抵抗を無力化する定番のタイムアタックマシン作りとは、対極の取り組み方かもしれません。電動ウォーターポンプ関連として、DAVIES,CRAIG 電動W/P日本代理店・NICOLE RACING 社ロゴステッカーを追加しています。最終仕様で車重測定した結果、ついに1,029sを達成しました。 <2016年仕様の変更点> (1)エンジン(ドライサンプ → ウェットサンプ+NAG減圧バルブ) 13.5kg以上 軽量化 (2)ウォーターポンプ(機械式 → 電動) (3)4点式ハーネス(TAKATA 1.63kg → Sabelt 1.16kg) 0.47kg 軽量化 (4)タイヤサイズ変更(295/30-18 13.0kg → 285/30-18 12.6kg) 1.6kg/4本 軽量化 (5)ベルハウジング(AP RACING 734g → ASM 480g) 0.5kg/2枚 軽量化 (6)????(38kg → 35.4kg) 2.6kg軽量化 (7)オイルクーラーコア大型化 * 重量増 (8)エアジャッキ再装着 * 重量増【 コーナーウェイト測定データ 2016/11/30 】 ???+RE-71R 285/30-18 ◇ Dr. OUT 1,029.0s (2015年はエアジャッキを外して1,046.5s) (左前)275.0 (右前)259.0 RIGHT:519.5s/50.4% (左後)234.5 (右後)260.5 Front:534.0kg/51.8%◇ Dr. ON 1,092.0s(+63.0s) (左前)281.0 (右前)277.5 RIGHT:565.5s/51.7% (左後)245.5 (右後)288.0 Front:558.0s/51.1% この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3239限界までやり切って見えるもの
関東地方降雪のため、昨日予定していた筑波テストは中止しました。 12/4(日)タイムアタックに向けて、妥協せずタイムアップの可能性を追求します。まず、容量アップデフケースは純正に戻しました。部品単体に加えてデフオイル量も1.5L減るから約2kg軽量化できます。150度に達するデフケース温度にはBILLION OILSの耐熱性能で対処します。ホイール関連では前だけハブリング付5mmスペーサーを装着しようと考えていましたが、リアも長いハブボルトに入れ替えて前後に装着します。 油温は130度領域に対応できる温度センサーを使っていれば問題なかったので、今回はレースで実績がある油温センサーに変更します。でも、そもそも油温125度は高いからオイルクーラーコアを容量アップしつつ、オイル量を1L減らして冷却効率を向上しました。オイルパンスペーサーを追加した目的はオイル量を増やすためではなく、ストロークアップしているクランクと油面間距離を伸ばして気泡混入を抑えるためです。これらのセッティングやSAサンシャイン神戸宮本さんお勧めアイテムは全部ぶっつけ本番になりましたが、タイムアタックの結果を楽しみにして下さい。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3237軽量化を徹底したNAエンジンで参戦
実測温度と油温センサー数値の誤差を確認しました。ガスコンロで熱したオイルの温度を測るとアナログ温度計:100度/温度センサー:107度でしたが、問題の高温域はアナログ温度計:124度/温度センサー:160度と差が拡大しました。前回筑波テストで使用した温度センサーを使ってみても同様です。 結論は、オイルブロックのサーモシールで計測した125度が正しく、その温度をセンサーで拾ってMOTECロガーは160度と認識していました。この油温だったらメタルが流れないから、オイルフィルター濾紙点検とエンジン内視チェックで問題なかったことも整合性が取れます。ドライサンプと比較して約20度油温が上がったので、オイルクーラーコアは大型化しました。 AP RACINGブレーキローターに使用する超軽量ベルハウジングが届きました。設計では1枚480gになる予定でしたが実測重量も480gで、見込み通り35%軽量化できました。この仕様をT/A号でテストして、強度に余裕を持った形状に変更して市販化します。<業務連絡> もう少しだけお待ち下さい。 この記事のURL https://autobacs-asm.com/blog/asm/index.php?mode=res_view&no=3234軽量化の極み
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